来年から始まる新NISAに向けて、インデックスファンドのコスト競争が再び激しさを増してきました。
ちなみに前回激しいコスト競争を繰り広げたのは、つみたてNISAが始まった2018年前後でした。
その時勝者になったのが、eMAXIS Slimシリーズです。
すでに低コストなインデックスファンドが出揃っている中、各社0.001%台の信託報酬値下げで凌ぎを削ってます。
特にここにきて全世界株式のコスト競争が話題になってますね。

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Yearを4連覇している大人気のファンドで、オルカンの愛称でお馴染みです。
そのオルカンに、先日たわら全世界株式が勝負を仕掛けました。

わずか0.0011%差とはいえ、オルカンよりも信託報酬を下に設定してネット上で話題になりましたね。
ただそれに対してオルカンは即座に5月11日からの対抗値下げを発表し、多くのインデックス投資家の期待に応えてくれてます。

そして今度は、日興アセットマネジメントが勝負を挑んできました。
TrasersMSCIオール・カントリーインデックス(以下トレカン)という全世界株式インデックスファンドを、4月26日に設定すると発表しました。
このファンドの特徴は異次元の信託報酬の低さです。
信託報酬が税込で0.05775%と、オルカンやたわら全世界株式(0.1133%)のほぼ半分という低コストが売りです。
この信託報酬の低さにインデックス投資界隈は、発表後大盛り上がりでした。
ただこの信託報酬の低さにはカラクリがありました。
そのため現状では全世界株式で投資をするなら、
「新NISAで買うべきファンドはオルカンがベストである」
と考えてよさそうです。
今回はオルカンの積立投資がベストの理由を書いていきます。
理由としては、
・手数料の差はほとんど誤差の範囲
・オルカンの規模が段違いである
などがあります。
この記事の著者
にしぐち @13bluecolor

経済的自立を目指して2017年からインデックス投資を開始
現在1,300万円弱を運用中
このブログでは主にインデックス投資と生活改善についての情報を発信しています
手数料の差はほとんど誤差の範囲

現在のインデックスファンドのコスト競争は、0.001%台のわずかな違いで競争しています。
下の図は現在の信託報酬を比べたものです。
信託報酬 | |
---|---|
オルカン | 0.1144% |
たわら全世界株式 | 0.1133% |
わずか0.0011%ですが、たわら全世界株式の方が低コストの設定ですね。
ただし上記のように、オルカンはたわら全世界株式に対抗値下げを表明してます。(0.1144%→0.1133%)
そのため5月11日からオルカンとたわら全世界株式は、同じ信託報酬で並びます。
それに対して26日に設定されるトレカンの信託報酬は約半分の0.05775%です。
1000万円を運用していると仮定すると、年間でかかる信託報酬は、
オルカン・・・11,325円
たわら全世界株式・・・11,330円
トレカン・・・5,775円
となります。
この数字だけを見るとトレカンの低コストぶりが際立ちます。

だからこそトレカンが発表された時、ネット上で盛り上がりました。
しかしこの低コストにはカラクリがあります。
トレカンは、オルカンやたわら全世界株式が会社負担にしているコストを、ファンド負担にすることで信託報酬を下げています。
例えば、インデックスファンドは連動させる指数のライセンス料を払うのですが、これがファンド負担になってます。(オルカンやたわら全世界株式は信託報酬に含めてます)
そのため実際のコスト差はほとんどない、または高い可能性があります。
トレカンに投資をするのは運用が開始され、最初の運用報告書を見てからでも遅くないと思います。
オルカンの規模が段違い

オルカンの大きな利点として、ファンドの規模の大きさがあります。
下の図は、4月14日現在のファンドの純資産総額を比べたものです。
純資産総額 | |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 | 1兆17億円 |
たわら全世界株式 | 51億円 |
2つのファンドは200倍近い規模の違いがあります。
これだけの純資産総額があれば、新NISAで購入して数十年保有し続けることに関して何も不安はありません。
一方たわら全世界株式は、純資産総額が51億円余りとなってます。

私がインデックス投資を始めた時は、低コストのファンドが登場したばかりだったので100億円を超えると安心した記憶があります。
一応今のペースなら、近い将来100億円には到達すると思われます。
なので、たわら全世界株式もオルカンと同様に、長期間の運用に問題はないです。
ただわざわざオルカンを無視してまで、たわら全世界株式を購入するメリットがあるかというと微妙です。
そしてトレカンは、まさにこれからスタートです。
ただ上記のように実質コストの件で疑われ始めているので、インデックス投資家がどれだけ乗り換えるか怪しくなってしまいました。
トレカンの今後は、スタートダッシュにかかっているでしょう。
インデックス投資は奇をてらう必要はない

インデックス投資は再現性の高いことが利点の投資方法です。
他の投資家と同じ指数に連動したファンドを買っていれば、同じ成果が得られるということです。
だからといって、無理に規模が小さかったり、実験的なファンドを買う必要はありません。
多くの人が投資しているファンド(オルカン)にそのまま乗っかってしまいましょう。
ちなみに今回はオルカンと同じ、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動することを目的にしている全世界株式を比較してます。
ただし
・MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
・FTSE・グローバル・オールキャップ・インデックス
2つの指数はほとんど同じ値動きなので、もはや好みの問題です。
他のファンドがうまくいったらその時は乗り換えてもいい
今回の話は、「新NISAで購入するファンドをシンプルに1本で管理できた方がいい」という筆者の主観が入ってます。

1,800万円を1つのファンドで投資した方が、シンプルで管理が楽だと思ってます。
そういうのは気にしないという人は、
・たわら全世界株式
・トレカン
がうまく軌道に乗った時に、積立設定を変えてもいいでしょう。
ただ繰り返しになりますが、手数料の差はもはや誤差の範囲です。
オルカンを積み立て続けても何も問題なしです。


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